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そらまめの会

腎細胞癌及び腎盂癌患者とその家族の交流の会です。交流会のお知らせ及び報告、様々な情報を発信します

進行性腎がんの治療薬としてエベロリムスが欧州で承認

「がんナビ」による情報です。

 スイスNovartis Pharma社は8月6日、エベロリムス(商品名:Afinitor)が、VEGF標的薬が無効となった進行性腎がんに対する初の治療薬として欧州委員会で承認されたと発表した。エベロリムスは、がん細胞の細胞分裂や血管新生の制御において中心的な役割となるmTORたんぱくを阻害する。
 今回の承認は、国際共同の無作為化二重盲検で行ったフェーズ3臨床試験「RECORD-1」における試験結果のデータが基となった。VEGF標的薬治療後にがんが増悪した進行性腎がん患者416人を対象にmTOR阻害剤の有効性が検討された。試験は、エベロリムス10mgを毎日投与する群とプラセボ投与群とに無作為に割り付けられ、それぞれ支持療法を併用した。
 主要評価項目である無増悪生存期間は、中央値が2倍以上(4.9カ月対1.9カ月)に延長し、さらにエベロリムスが病気の進行リスクを67%減少させたことが明らかとなった。(ハザード比:0.33、95%信頼区間:0.25-0.43、p<0.0001)
 進行性腎細胞がんの場合、約40%の患者が、腫瘍が腎臓以外に広がった状態で診断され、標準的な初期治療としてVEGF標的薬による治療が行われる。しかし、VEGF標的薬による治療後にがんが進行した場合の治療の選択肢は限られているのが現状だ。
 現在、複数のがん種におけるエベロリムスの可能性を検討するためのフェーズ3試験が進行中である。
(美奈川 由紀=医学ライター)

進行性腎がんの治療薬としてエベロリムスが欧州で承認(2009.8.17)による
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転移性腎細胞がんにベバシズマブとインターフェロンαの併用、米国でも承認

「がんナビ」による情報です。

 スイスHoffmann-La Roche社は8月3日、転移性の腎細胞がんに対するベバシズマブ(商品名:アバスチン)とインターフェロン(IFN)αの併用が米食品医薬品局(FDA)に承認されたと発表した。
 米国がん協会によると、腎がんは米国で8番目に多いがんで、2009年にはおよそ1万3000人の米国人が腎がんで死亡するとみられる。腎がんの中で最も多いのが腎細胞がんだ。
 ベバシズマブは血管新生を促す血管内皮成長因子(VEGF)に特異的に結合し、がん細胞の増殖を阻害する。欧州では、進行性・転移性の腎細胞がん患者に対するファーストライン治療として、ベバシズマブとIFNαの併用が2007年に承認されている。米国では今回の承認により、5種のがんに対してベバシズマブが承認されたことになる。
 今回のFDAの承認は、未治療の転移性の腎細胞がん患者649人を対象とした大規模フェーズ3試験(AVOREN試験)のデータに基づく。AVOREN試験では、IFNα単剤を投与した群に比べて、ベバシズマブとIFNαを併用した群で無増悪生存期間(PFS)が67%延長した(ハザード比:0.60、95%信頼区間:0.49-0.72)。PFSの中央値でみると、IFN-α単剤群は5.4カ月、ベバシズマブとIFN-αの併用群は10.2カ月で、併用群では89%延長した。
 本来この試験は、全生存期間(OS)を評価するためにデザインされていたが、FDAおよび欧州規制当局との協議に先立ち、PFSのデータが認可の根拠として受理された。
 さらにAVOREN試験の副次的評価項目の一つである腫瘍の縮小は、IFNα単剤群の12%に対し、ベバシズマブとIFNαの併用群では30%だった。444人が死亡した後の最終解析によるOSには改善が認められず、中央値は単剤群21カ月、併用群23カ月だった(ハザード比:0.86、95%信頼区間:0.72-1.04)。
 有害事象は、ベバシズマブまたはIFNαについてすでに報告されているものと一致していた。
(森下 紀代美=医学ライター)

転移性腎細胞がんにベバシズマブとインターフェロンαの併用、米国でも承認(2009.8.5)による
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